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相性の悪い川

雰囲気というか、渓相というか、大きな魚は見るのだけど、2019年3月11日。雪も少なく、スノーシューはいらない。柳の白い蕾に空を見上げて、白鳥の声。雪解けの影響もなく水量も少なく、水も澄んでいる。静かに泡が流れる深みを観察するが、ライズはなく虫も流れていない。竿を置いてしばらく観察しつつ、ライズでも始まればと。柳の木の横から覗くと、尾びれに傷がある魚がみえた。しばらくみていると、もう1匹大きな魚も動いている。行動を観察する。大きな方はグルグルと深み全体を動き、流れに入ったり、ゆるい場所にきたり。尻尾に傷がある魚は、反転流に定位している。1時間が経っても、虫が増える様子も水面に意識をする様子もない。ライズし始めるまでそっとしておいてもいいかとも思ったけど、私の虫が騒いでしまう。頭の中で釣り上げるまでの答えは出ているのだけど、それが果たしてうまく行くか?答え合わせも大事なことなのでと勝手に調子よく考えて、すでに仕掛けをセッティング。ドライドロッパーに変更、4xくらい欲しかったけど、5x以下しか持ってなかったので、それに金色のビーズがついた16番ほどのフェザントテイルをむずぶ。反転流に定位なので、立ち位置は上流から。投げにくいけど、反転流に仕掛けを流す。どっちが食うか、食い気があれば、と考えながら何度か打ち直すと。目印にしているドライフライが沈んだので合わせる。水中で反転する魚は尾びれに傷がある魚だった。ドライフライ用の繊細なグラスロッドだったのでなかなか強引にはできなかったものの、水面に浮いてくれた。なきの60だった。産卵後だったのか雌だった。もう1匹の魚の方が大きかった。この季節は、少しデリケートな季節。沈めると産卵前後の魚も釣れてしまうので、優しい季節です。