· 

フィッシング番外編 ビワマスin琵琶湖

日本で琵琶湖にしか生息していないビワマス。

 

その魚に衝撃を受けたのは、琵琶湖でビワマス釣りのガイドをしている藤本さんが送ってくれたビワマスを食べたことでした。

 

淡水の湖に棲むマスがこんなに脂が乗って美味しくなるなんて、初めてのうまさと驚きでした。そんなことから、鮎やホンモロコなど日本を代表する魚が棲む琵琶湖。琵琶湖の自然も興味がどんどん膨らみ、はるばるビワマスを釣りに行ってきたのが昨年2021年の12月でした。

 

到着の夕方からどんどん雪が降り積もり、朝には積雪10cm。年に一度という雪だとか。私にとってみたら、べちゃべちゃの可愛い雪。それでも道路のあちこちには砂が置かれたり、道路から融雪用の水が流れ、本州の雪対策には驚かされました。

 

どんどん降る雪、琵琶湖での初対面は雪だるま。みんなに北海道から雪を持ってきたと言われてしまいました。1日目の釣りは雪でキャンセル。おかげで、1日は琵琶湖を車で回って観光ができました。

雪が積もった椿(サザンカ?)や柿の木やスイセンの花。竹やぶに瓦屋根、石垣とか、全てが新鮮で、やっぱり本州の景色、空気も来てみないとわかりません。風情があります。

滋賀県三日目に、藤本さんが悪天だけど、無理して船を出してくれることになりました。ガリガリに凍った道を進み、藤本さんの船があるマリーナ到着。

 

藤本さんの船はマリーナの奥の屋根付きの特別スペースにありました。船に乗ったら車で引っ張って、湖へ。ビワマスガイド協会の会長さんだけあって、存在もボス?親分のような存在。私の普段ガイドで使う船が小舟のように感じました。スケールが違いますね。

 

湖に出ると白銀の世界。湖を囲う山々は真っ白で、なんか北海道と変わらない世界、、、。沖に行くに従って、波が荒くなり、立っているのもやっとなほどのうねり。

魚探をみると、水深65m。そして、ビワマスの反応が水深20から30m。ここが淡水の湖?そして鱒釣り?と思うほどの深さにいるのがビワマス。その深さを回遊し、この時期はヨコエビや2、3cmほどの鮎の稚魚を食べているとのこと。だから、脂が乗った魚体になるのでしょう。

 

12月のビワマスは卵や精子に脂を取られない冬の魚。そして低水温と食性が脂の乗りを最高にしてくれるとのことです。だから最高にうまいんですね。

琵琶湖のビワマスの釣り方は、いたってシンプルで、ビワマスが泳ぐ深さまで、でっかい重りで強制的に仕掛けを沈め、その棚を一定の速度で引っ張るトローリングでした。また、鉛の入った糸を使って、100mくらい糸を出して引っ張るレッドコアのトローリングも同時にしました。全て藤本さんがセットしてくれ、釣り人はただ待つだけで、アタリがあったら巻き上げるだけという単純な釣り。

 

なので魚がかかるまでは退屈で、間違って表層に上がってきているビワマスでもいなか?と期待しながら私は船の先端でフライロッドを振ってました。タイプ4のフルシンクラインにストリーマーで、、、

船は1mほどのうねり、立っているのも大変な中、ひたすら飽きずに、琵琶湖の景色を眺め、少し期待して竿を振り続けましたが、アタリもなしで、やっぱり20mはフライ、キャスティングでは不可能です。

 

藤本さんの釣り方は、さすがでした。激しく揺れる船の中ですが、次々にビワマスを釣り上げていました。ビワマスは一人5匹までキープできるというレギュレーションでしっかり守られている魚なので、湖に魚はたくさんいるということでした。13時の飛行機の時間ギリギリまで釣りをさせてもらい、最大50センチまでのビワマスを三人で15匹キープしました。

 

ビワマスの見た感じは、ヒメマスとそっくり。黒点も目立たない銀ピカの魚体ですが、ビワマスの方がなんとなく目が大きく、口に近い感じがしました。

 

 

 

琵琶湖という超巨大な湖を海とみたてて回遊し、暑い夏でも琵琶湖の深さがビワマスの生息を可能にし、産卵河川には川の水温が下がるころに遡上し産卵を終え、その後親は死に、卵から帰ったビワマスの稚魚は川の水温が上がる5月までには湖に全てくだるのだとか、そして湖の豊富なプランクトンや鮎の稚魚を食べて、最大60センチまで大きくなるそうです。

 

琵琶湖独特の自然環境がビワマスという固有種を育てあげ、今でもしっかり保護されながら利用されている。琵琶湖といえば、鮎ですが、鮎に負けないビワマスの存在やホンモロコやビワコオオナマズなど、琵琶湖というポテンシャルは実際訪れて、味わって、釣って、いいところだと感じました。

 

藤本さんも、一見怖そうな方でしたが、とても人情味があって、なによりも頼もしい。たくさんお世話になってしまいました。ありがとうございました。

 

ぜひ、琵琶湖もビワマスも藤本さんのガイドも体験してみてくだい。以下が、藤本さんのHPです。https://www.biwamasu-dubhandf.com/index.html

また、今年も行きたいです。

 

 

ビワマスの身は、紅色で、脂が乗って白く、さばいていても包丁や手が脂でベトベトになるほどです。味は、年越し用のお寿司やもちろんお刺身。皮は軽く干して焼くとうなぎのような香りと味がします。骨も焼いてフレークにしたりと、食べごろサイズ、料理しやすいサイズ感も、ビワマスはちょうどいい。12月のビワマスの味は、恒例になりそうです。サポートしてくれた、愛知のT竹さんもありがとうございました。