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初秋のニジマス

9月は、夏の釣りから秋への釣りへと変わっていく季節です。気温が下がってくると秋を代表するヒラタカゲロウやコカゲロウのハッチが始まり、晴れた日にはカメムシやテントウムシ、アワフキムシなどのテレストリアルが飛び、高かった水温も魚の適水温まで下がり、冬に備え体を肥やす大切な季節。ニジマスたちも食べること集中する季節。

 

それでも、まだまだ大型のバッタや蝶、シデムシ、センチコガネなどの甲虫もまだまだ活動しているので、大きなドライフライでの夏の釣りもあれば、鏡のような静かなプールでの小さい虫にライズする繊細なドライフライの釣りまで、秋と夏が交差する季節。

 

9月も毎日のように川を歩き、空を見ては、北へ南へ、毎日ガイドの日々でした。

天気が目まぐるしく変わる秋の空。晴れかと思うと雨が降り、また晴れて。ライズが起こったと思うと強い風で沈黙し、諦めると風が止んでライズする。空に振り回されるような天気も秋。

 

突然の雷、森に避難。滝のような雨が谷を流れ、矢のように稲妻が光、雷鳴が谷に響く。自然の力強さは人間のちっぽけさを感じました。

 

20分ほど待つと、空が明るくなり。雨が止んだ瞬間にあちこちでライズが始まり。1匹釣ったら、ものすごい風が吹き始め終了。そんな一瞬の隙に見事に釣り上げた魚は、特大のニジマスだったらドラマだったのですが、綺麗なニジマスのスレ掛かりでした。あの雷雨は記憶にのこる景色でした。

 

5歳の息子が巻くフライというのがなかなかの斬新なフライで、マテリアルの色、使い方、出来上がるフライは、どんな雑誌にもない、意味のわからないようなフライを作ります。ですが、ニジマスの脳年齢は、おそらく3歳か5歳くらいだと思うので、5歳児が興味を持つフライパターンは、ニジマスにとっても魅力的なのか?と思うところでもあります。

 

そんな、5歳児が巻いたフライにインスパイアされた、お客さんが徹夜で?巻いたフライが、写真のフライ。意味がわかるような、わからないようなフライでしたが、「前日の夜に巻いたフライは釣れる」という説。

 

 

 

 

このひっつき虫は、植物図鑑で調べてみようと思いつつ、このタネを、とって捨てることで、またこの植物に利用されている気がします。

ヘビノタイマツ。夕暮れにはオスジカも繁殖期、怪しげな声で鳴き始めました。ピーブー、ピーブー。

9月下旬。ガイド5日間という長丁場は、古希を迎えたお客様。

 

まずは、マイタケが出るミズナラをチェックしに行きましょう!と、車からしばらく山に入ったぶっといナラの木をチェック。残念ながら、今年もマイタケは不発でしたが、このお客さんの健脚、これなら行ける!と確信しました。

 

11時に始まったテントウムシの乱舞に、お昼を食べていたら突然のボコン、ボコン。

 

 

私の歩くペースにもサクサクとついてくる軽快な足取り力は、ほんとうに70歳かと思うほど。普段から畑仕事や鮎釣り、地元の川でのフライフィッシングで体を動かされているとうこと。土砂降りの雨でも、まだまだ釣りを続けたいという気力。精神力。それに釣りに神さが答えてくれるように、大きな魚が釣れてくれる。しかもフライは、たった一つしかないカメムシに似せた緑色の10番ほどのドライフライに魚が引き寄せられるかのように食いついてくる。

 

私もこんな釣りができるのだろうか?とつくづく思いながら、いつまでも諦めない、常に向上心を持つ70歳の後ろ姿は見ているだけで教わることばかりでした。ありがとうございました。

 

 

 

 

急ぎ足での9月の釣りを振り返りました。9月は南十勝方面の釣り仲間たちが、みんなで募金を集めて放流が無事に終わった様子です。まだまだ小さな魚たちですが、将来の夢の魚たち。魚を大事にし、川が持つポテンシャルをもっともっと引き出していけるといいです。

 

今年の11月も北十勝方面の放流を行いたいと思います。10月いっぱい放流募金への協力をどうぞお願いしたします。メールにて、ご連絡いただけたら詳細をご案内させていただきます。 info@lodgeluckyfield.com  まで、よろしくお願いいたします。