季節は進み、徐々に水温が上がり、ワカサギの群れもかなり岸により始めました。そして、新たな挑戦は、昨年の7月にフライフィッシングを始めたばかりという、69歳の方の挑戦。
8番ロッドを持ったのは、まだ10回目ほど。キャスティングはたった3mしか飛びません。それでもフライフィッシングでイトウを釣ってみたい。新しいことにチャレンジする69歳。そんなすごい方の背中を見られるだけでも私は光栄で、なんとか一緒にイトウをキャッチする時間を共有できたら最高です。そんな思いで、なによりも無理なく、安全に、そして一匹を釣るために、集中しました。
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朱鞠内湖の早い時期は、ワカサギの産卵が大きなチャンスで、ワカサギたちが岸に産卵のために接岸します。それを追ってイトウたちも岸近くにワカサギを食べに集まるので、キャスティングが飛ばなくてもチャンスがあり、そして、ブラインドで岸際を丁寧に刻めば、誰にでもチャンスがあります。
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集中力と体力を切らさないように、1日を2回に分けて釣りをしました。朝早起き、遅めの朝食で宿に戻り、軽く睡眠をとって、午後からの釣り。朝は岸際でボイルする魚を探し、午後は風が吹いて岸際が濁り、ブラインドで岸近くを探る。イトウらしき魚がフライを食って、手応えを感じたことが、2度、3度あったのですが、しっかりとフッキングまでに至らずに、悔しい思いが続きました。
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日に日に、岸に集まるワカサギの数が増え、三日目の朝には、こんなことがあるのかと思うほどのワカサギの大量の群れと、それに襲いかかるボイルが朝だけではなく、昼から夕方までも延々と続いたのです。
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岸際で繰り返される、ボイルを狙って始めはボートからキャストを繰り返していましたが、ボートが近づいても全くボイルは止まず、最後は上陸して、足元で起こるボイルを狙いました。
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足元からフライをひったくるように食ったのは、ワカサギでお腹がパンパンのアメマスでした。狙いはイトウですが、フライで釣った最大の魚。最高に喜び、驚き、感動でした。そして、その後もすぐにまたアメマスが掛かり、それだけで大満足でした。本当に、続けることで、素晴らしい結果でした。
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次の日は、スカッと晴れたピーカンの朝で、空気が止まったような世界。キンと冷えて、霜がおり。そんな中でも、この岬周りだけは、Tさんのためだけにあるような、岸際でのボイルが起こっていました。そして、立て続けに2匹釣り。残るはイトウと思っていましたが、これは次回に繰り越し。次の楽しみを残してくれるのも、朱鞠地蔵のいたずらか?それにしても、こんなにボイルが続く状況も初めてと思うほど、Tさんのためにあるような2日間でした。
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