· 

イトウの季節

最近、新聞やニュースでイトウの記事が流れていました。

先日、打ち合わせのついでにイトウの調査を覗かせていただきました。

 

調査は、イトウの稚魚の調査で今年生まれの稚魚がどれくらいいるか?という調査で、8年前から調査区間を決めて、調査方法を決めて継続して調査することで、イトウの稚魚が増えているか、減っているかを数字でみるということでした。

 

イトウの稚魚は電気ショッカーで一度気絶させて採取して、麻酔をかけて眠らせたところで、計測して、眠りから覚めたら流れに返してあげる。という内容。稚魚もさんざんな目に合いますね。ですが、これを8年も続けていると、河川の状況やイトウの状況が見えてくるということでした。

 

過去に大きな被害をもたらした台風ですが、その年の台風は調査で取れたイトウの稚魚はたったの3匹ほどだったとのことです。今回取れたイトウの稚魚は100匹以上。大水や台風はイトウの稚魚にとっては破壊的、大打撃。ですが、面白いことに台風が作った本流から外れた小さな流れ、旧本流の筋がイトウの保育施設になってくれ、この奇跡的にできた流れからは300mほどにイトウの稚魚がワサワサと100匹以上出てきました。普段は何も気にもしない、開発では一番に埋められてしまうような流れですが、こんな流れこそが、イトウにとって大切だったのです。

 

ここからは、イトウの稚魚のほかに、アメマスの稚魚、フクドジョウ、ハナカジカ、スナヤツメがいました。ニジマスはいませんでしたが、もしニジマスがここにいたらイトウのためには駆除されてしまいます。それもイトウのためですので大切です。毎日イトウと向き合って、イトウの調査、生息環境を保全しているすごい人です。保護するだけでは持続ぜず、道内外から釣り客を呼び、地域にお金を落としていただき、利用しながら保護していく仕組み作りが町として今後の課題と話しておられました。なんとか力になることができればと思いました。

 

写真のイトウは、今年生まれのイトウです。まだ小さいですが夢があります。後ろでひっくりがえっているイトウは麻酔で眠っているだけで、麻酔が覚めれば元気になって落ち葉の下へ泳いで行きました。

 

さて、11月。イトウの準備です!今年はたくさんリサーチができるかな?