· 

2時30分、ようやく出てくれました。

聞こえてくる音は、風の音、雪が落ちる音、カラ類やキツツキの足音くらい。そんな人間界を忘れさせてくれる山奥の森。車から深い雪を漕いで、汗をかきかき15分歩いた場所にひっそりとある穴は雪が似合うトドマツの穴。

エゾモモンガを見たいのですが、この美しいロケーションの、綺麗な丸から顔を出す瞬間だけを待って、日中の出待ちでした。椅子を持ち込み、雪の中じっと黙っていたら、エゾシカすらも私たちの気配に感じないらしく近くまで来て、ようやく気づいても不思議そうに近寄ってきました。いつも銃を背負っているとトットと逃げるくせに、こんな時は穏やかです。

 

出てくれたのは2時30分。待ち始めてから意外と早く、15分後でした。その後は4時までさっぱり。一瞬のラッキーでした。日中の穏やかな気温で静かに森にいる時間もいいものです。