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朱鞠内湖イトウ釣りガイド その5 怪奇月食

偶然にも皆既月食を見れたのはレイクハウス の窓越しだった。ゆっくりと月が地球の影に覆われて、真っ暗になった。こんな不思議な現象は、古代の人たちはなんだと思ってみていたのだろう。

 

まず初日の洗礼は、雷雨だった。これほどのまでの雨はないというほどの、激しく体を叩く雨。陸地が川になった。ここまでの雨に打たれるのは、かえってテンションが上がる。こんな中で釣りができるのもなかなかない。前浜の賢いアイドルイトウたちは、この雨と濁りで騙せるかと企んだけど、濁りがひどく釣りの限界になってしまった。

雷雲が通り過ぎるまで、車の屋根の下で2時間待ちぼうけ。そして空が広がり、これはチャンスかと思ったら、ギョウジャニンニクを刻み入れたカップラーメンがとにかく美味しく日が暮れた。

日本で一番最後に咲くという、朱鞠内湖のチシマザクラ。雪の重さで根曲りになり、雪の中から現れた順に咲く。キャンプ場に並ぶ背が低い桜が湖を見下ろし、ヤマゲラがキョキョキョと鳴いていた。

ギョウジャニンニクはさらに量を増し。これでもかという匂いを放ち、レイクハウス のスタッフのおにぎりでパワーアップ。それが功を奏し、1匹の大イトウが口を使った。

岸際に現れた大イトウに、白いゾンカーを見事に食わせ、ネットインまで40分が経過した。イトウの産卵は2年に一度とされていて、このイトウは今年は産卵に参加しない魚のようで、銀ピカの魚体にヒレの美しさ、太い見事なイトウだった。そんなドラマが起こった夕暮れ、湖の上に登った満月に地球の影がのっかる。これまた貴重な皆既月食を見た。

そして、シメは、ザ!幌加内町。といえば、日本一の蕎麦の産地。しっかりうまい蕎麦までいただきました。